2018年11月にサービスを開始し2022年には東証グロース上場を果たすなど,不動産クラウドファンディングの雄として君臨する『CREAL』。実際使ってみると確かにファンドの募集から完売までがとても速く,その人気のほどが伺えます。実際のところ人気に見合った実力はあるのでしょうか?今回も,他の情報サイトではあまり扱われていないポイントを中心に,現在の私の運用状況,実際使ってみた上での評価をまとめていこうと思います。
利用履歴
CREALへの現在の投資額は180万です。利回りはやや低めながら運営の安定感から投資額を増やそうとしているのですが,下記の評価にある理由でなかなか増えていないというのが現状です。
↓こちらに私のソシャレン・クラファン投資履歴をまとめています。
今後は,チャンスがあれば投資していきたいとは思っているのですが,他社のファンドを同時に吟味している現状ではあまり変わらないかなという予想です。では早速評価していきましょう。
基本情報
種類 | 不動産クラウドファンディング |
---|---|
運営者 | クリアル株式会社(財務情報) |
デポジット口座 | 楽天銀行 |
平均利回り | 2.5-5.0% |
分配ペース | 四半期毎が多い(会員登録しないと確認できないシステム) |
出金手数料 | 229円 |
運用期間 | 1~3年 |
運用前資金拘束期間 | 30-60日 |
運用終了後資金拘束期間 | ファンドにより異なる |
CREAL評価
長所①:東証グロース上場企業運営と実績による安心感
CREALの運営者であるクリアル株式会社は,2018年にサービスを開始以降,2022年4月28日に東京証券取引所グロース市場に上場しています。(上場時の証券コードは2998、主幹事はSBI証券、公募価格は930円、初値は1600円)。案件は月の2~3本ペースながら,案件当たりの運用額が大きいので,2024年8月時点での累計調達額は571億円を超えています。
短所①:運用前の資金拘束期間が長い
運用前の資金拘束期間がとても長く,実質利回りの低下が気になります。億超えの大型ファンドが多いことから募集期間が約1ヶ月など長く設定しているのは理解できますが,募集開始から完売までは比較的短期間であることが多いです。その結果,完売から1ヶ月以上経って運用開始ということが起きます。例えば上の例では,8/23に募集開始でおそらく(8月中に完売になると思われます),運用開始はなんと10/18と2か月後です。CREALの利回りも最大5%程度と高くはありません。運営の安心感とのバランスを考えれば納得できる数字とも言えますが,資金拘束期間の長さで実質利回りがさらに低下するのは頂けません。一週間以内に運用開始されるより年利の高い他サービスのファンドがたくさんあるのに,2ヶ月先にようやく運用開始されるCREALのファンドに投資するのは機会損失でしかありません。
CREALのように長くサービスを続けていればファンドの募集額と利回りなどの情報から募集期間の適正化はできるはずです。あるいは,完売した案件については募集期間終了を待たずして運用開始を早めるなどの対応をして欲しいところです。
短所②:古参の割に使い易くないサイト
CREALは,2018年のサービス開始して経験豊富なはずですが,サイトが微妙に使いずらいです。
CREALはファンドに申し込む際,先入金となるので先にCREALのデポジット口座に入金が必要です。細かい話なのですが,デポジット口座に入金がされていないと「投資する」ボタンすら現れないので操作に慣れてないと混乱します。
またサイトの更新も行っているようなのですが,最近では例えば上にCREALから来たメールのように「入金する」を「チャージする」に変更,「出金する」→「引き出す」に変更などの仕様変更が図られています。しかし,元々の「入出金」がお金の流れがインとアウトで逆になるという言葉の対称性を言い得ているのに対し,何の対称性もない「チャージする」「引き出す」という言葉をわざわざチョイスするのは,何がしたいのか分からない的外れな改悪と言わざると得ません。サイト自体の使いにくさと的の外れた費用対効果の悪いサイト仕様の変更と,サービス面での物足りなさは残ります。
まとめ
CREALについてまとめです。他業者と客観的に比較をすると,運営の安定感以外,ファンドの利回りの低さ,資金拘束期間の長さによる実質利回りの低下,サイトが使いにくさなど,あまりメリットが見いだせないというのが実際の評価です。その安定性についても元本棄損ゼロという点では他の多くの同業者が達成していることなので,となるとCREALの人気の理由が良く分からないというのが正直なところです。
総合評価:★★★★★(5/10)
サービス内容を客観的に分析すると,運営の安定性以外の良いところが見つからない。業界最長レベルの資金拘束期間の長さは改善を求めたい。