
AGクラウドファンディングは,東証プライム市場上場企業であるアイフルのグループ会社が運営する融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)サービスです。運営面の信頼性が高いためか,やや高めの利回りの不動産担保ローンファンドは募集開始で即完売になるほどの人気です。,実際のところはどうなのでしょうか?今回も,他の情報サイトではあまり扱われていないポイントを中心に,現在の運用状況,実際使ってみた上での評価をまとめていこうと思います。
基本情報
| 種類 | 貸付型クラウドファンディング |
|---|---|
| 運営者 | AGクラウドファンディング株式会社 (財務情報) |
| デポジット口座 | GMOあおぞらネット銀行 |
| 平均利回り |
アイフルファンド:0.8~1.0% 不動産担保ファンド:4~6% |
| 分配ペース | 四半期毎 |
| 出金手数料 | GMOあおぞらネット銀行の場合:無料 GMOあおぞらネット銀行以外の場合:145円 |
| 運用期間 | 6カ月~2年(1年程度が多い) |
| 運用前資金拘束期間 | 2~3週 |
| 運用終了後資金拘束期間 | 3週間程度 |
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特長の異なる2種類のファンド
AGクラウドファンディングは,利回りが0.8~1.0%の「アイフルファンド」と,利回り4~6%の不動産担保ローンファンドという,大きく利回りの異なる2種類のファンドが特徴です。
不動産担保ローンは,投資家から集めた資金を原資に不動産業者に貸付を行い,不動産物件に担保設定を行うファンドです。アイフルファンドは,投資家から集めた資金をアイフル株式会社に貸し付けて,その利息を投資家に分配する仕組みです。利回りは約1%程度と低めですが,より低リスクな投資商品との位置づけです。
利用履歴
記事執筆時点(2024年9月)でのAGクラウドファンディングに対する投資額は現在210万です。

これまで複数のファンドで償還があり,殆どが予定された運用期間より短縮される「早期償還」となっています。また,運用期間からデポジット口座入金までの期間は3週間ほどでした。資金拘束期間はやや長めです。

今後の方針ですが,下記の評価内容を踏まえると,積極的に投資するつもりはなく,資金に余裕があるときの投資先として利用していく予定です。では早速評価していきましょう。
↓こちらに私のソシャレン・クラファン投資履歴をまとめています。
AGクラウドファンディング評価
長所①:アイフルグループ会社が運営の安心感

AGクラウドファンディングの利回り(0.8~6%)は平均的ではありますが(後述),一番のメリットは東証プライム市場上場企業であるアイフルのグループ会社が運営することの安心感だと思います。親会社のアイフルの業績も安定していますし,AGクラウドファンディング株式会社の財務指標も現時点では特に問題はありません (財務情報)。そもそも財務情報を分かり易く開示しているクラファンサービスは多くはないので,透明性という点でも評価できます。
長所②:「先着後入金」なのは投資資金準備・再投資の観点で嬉しい
AGクラウドファンディングの投資申し込みは「先着後入金」です。気になるファンドがあれば先に申し込んで後日入金(入金期限は3営業日後)することで運用開始まで進めることができます。先着後入金のメリットは2つです。
1つ目は,申込時の入金の手間が省けること。2つ目は,先着前入金の場合だと先に入金してもファンドが完売するとまた資金を引きあげて次の投資先を決めないといけなくなるデメリットがあります。先入金時の手数料や投資の機会損失に繋がりますが,先着後入金だとこのデメリットが生じません。
AGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンドは募集開始後に直ぐに売り切れになる場合も多いので,「先着後入金」がうまく機能していると思います。
短所①:申し込み前後の資金拘束期間がやや長い

AGクラウドファンディングの不動産担保ローンでは,募集開始から運用開始期間までの期間はだいたい2~3週間で設定されています。上図の例では,募集開始が8月2日から運用開始が8月22日となって,この間の期間は資金は拘束されて運用益は発生しません。

AGクラウドファンディングを使っていると,だいぶ前に投資申し込みしたのになかなか運用が開始されないと感じることが度々あります。これは,もともと資金拘束期間が長めに設定されていることの他に,不動産担保ファンドを中心に人気が高いため,募集開始時に即申し込まないといけなく,結果として申し込みから運用開始までが長くなっているという面があります。
募集期間を短くするか,募集完了後に運用開始を早めるか対応ができるとサービスが向上すると思います。
短所②:不動産担保ローンは人気高く申し込みが難しい場合もあり
AGクラウドファンディングの不動産担保ローンは,利回り4~6%くらいのレンジで展開されています。その中で利回り5~6%のファンドはとても人気が高く,募集開示から数分で売り切れることも多いです。

実際のところ利回り5~6%は業界平均かやや高いくらいですが,人気の高さは上記にも書いたアイフルのグループ会社という安心感ゆえとは思います(利回り7%以上でもなかなか埋まらない他社ファンドもあるので,本当に立ち位置に恵まれているとは思います)。とはいえ,やはり平均的な利回りのファンドに募集開始時間を拘束されて,かつ申し込みに失敗するリスクがあるというのはデメリットと言えます。
短所③:サイトがやや使いにくい

AGクラウドファンディングのサイトは,欲しい情報が直感的に直ぐ表示されるようなサイト構成になっておらず,使いやすさはイマイチです。(サイトの外注先が同じためか,同様に使いにくい「バンカーズ」とも似たつくりです。)
短所④:ファンドの種類に乏しく特典もVプリカ還元率もやや低め
AGクラウドファンディングでは,アイフルファンドと,不動産担保ローンファンドがあるのは上で述べた通りですが,両者とも案件ごとの特徴があまりないです。不動産担保ローンも利回りも5~6%程度と平均的で,物件も「ここに投資したい」と思わせる魅力はある訳ではありません。
またキャンペーンで投資額に応じて受け取れる「Vプリカ」もアマギフなどと比べると使いにくい上にそれほど還元率も高くなく(0.5%以下),投資+αのワクワク感は平少な目です。
まとめ
AGクラウドファンディングについてまとめです。利回りは不動産担保ローンファンドで4~6%と標準的,サイトデザインの利便性は高くない,ファンドの種類にバリエーションや楽しさがないなど何れも平均かそれ以下です。東証プライム市場上場企業のグループ会社が運営する安心感を評価した上で総合評価は以下となります。
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